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ブログ記事をお読みくださりありがとうございます。先日、那覇市内の地域包括支援センター主催で実施された「身体拘束に関する研修」へ参加してきました。
グループワークも含めて、とても良い研修でした。今回は研修の振り返りと併せて身体拘束に関する基本的な知識を書いていこうと思います。
1:日本における身体拘束についての法整備の歴史について
日本における高齢者の身体拘束に関する法整備の歴史は、長い年月をかけて進化してきました。1950年に施行された「精神衛生法」が最初の法整備であり、精神障害者の保護と治療を目的としていました。しかし、この法律は高齢者の身体拘束に関する具体的な規定を含んでいませんでした。
その後、1970年に「精神保健及び福祉に関する法律」(精神保健福祉法)が制定され、精神障害者の権利保護と福祉の向上が強調されました。この法律では、身体拘束の条件や手続きについても規定されており、高齢者の身体拘束に関する基準が明確になりました。
1995年には「高齢者の虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(高齢者虐待防止法)が施行され、高齢者の身体拘束に関する規制がさらに強化されました。この法律では、高齢者の身体拘束が適正な手続きを経て行われることが求められ、また、身体拘束の理由や期間についても厳格な基準が設けられました。
2000年には「障害者虐待防止法」が制定され、障害者全般に対する身体拘束の規制が強化されました。この法律では、身体拘束が最後の手段として行われることが明確にされ、高齢者の身体拘束に関する基準がさらに厳格化されました。
最近では、2016年に「高齢者虐待防止法」が改正され、高齢者の身体拘束に関する規制がさらに強化されました。この改正法では、身体拘束の理由や期間についての基準がさらに厳格化され、高齢者の権利保護が強化されました。
※POINT:2000(平成12)年4月から介護保険法が施行されたことにより身体拘束は原則禁止になった
※引用:「Microsoft Copilot」・太字は作成者加筆
2:身体拘束の対象となる具体的な行為11項目について
介護保険法における身体拘束の対象となる具体的な行為は以下の通りです
1)徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
2)転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
3)自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
4)点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
5)点滴。経管栄養等のチューブを抜かないように、または皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等を付ける。
6)車いすや椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y時型拘束帯や腰ベルト、車いすテーブルを付ける。
7)立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。
8)脱衣やおむつ外しを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
9)他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
10)行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
11)自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。
※厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」2001年を一部改へん・太字は作成者加筆
3:身体拘束ゼロ作戦とは
2001(平成13)年3月に開かれた、厚生労働省「第2回身体拘束ゼロ作戦推進会議では、『身体拘束ゼロへの手引き』が作成されました。これによると、身体拘束が認められるためには、①切迫性、②非代替性、③一時性、の3つの要件がすべて満たされていなければならないとされており、本人・家族・家族にかかわっている関係者・関係機関全員で検討、確認し記録しておくことが求められるとしています。
①切迫性 :本人または他の利用者などの生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと。
②非代替性:身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する方法がないこと
③一時性 :身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること
POINT:3つの要件の確認は、本人の尊厳を守るためのプロセスである!
※厚生労働省「身体拘束廃止・防止への手引き~令和6年3月~」より引用、一部改へん
4:身体拘束禁止への取り組みが介護(ケア)への質にどのように影響を与えるか?
介護保険法の身体拘束禁止は、介護の質に多角的な影響を与えています。具体的には以下のような影響が見られます
1:尊厳と自立の尊重:身体拘束の禁止は、高齢者の尊厳と自立を守ることに繋がります。これにより、高齢者が自尊心を持ち、より自立した生活を送ることができるようになります。自由な生活環境は精神的な健康にも寄与します。
2:個別ケアの強化:身体拘束が禁止されることで、介護施設は個別ケアの質を向上させる必要があります。高齢者一人ひとりのニーズに応じたケアプランが求められ、細やかな配慮が行われるようになります。
3:職員のスキル向上:身体拘束を避けるための知識と技術が求められるため、介護職員のスキル向上が促進されます。これには、認知症ケアやコミュニケーション技術の向上が含まれます。結果として、より質の高いケアが提供されるようになります。
4:介護環境の改善:身体拘束を防ぐためには、安全かつ快適な介護環境の整備が必要です。例えば、転倒防止のための設備導入や、適切な介護用具の使用が進められます。これにより、介護施設全体の環境が改善されます。
5:倫理的・法的意識の向上:身体拘束禁止は、介護従事者や施設運営者の倫理的・法的意識の向上にも寄与します。法規制を遵守することで、介護施設の信頼性が向上し、利用者や家族の安心感が増します。
これらの影響により、介護保険法の身体拘束禁止は、高齢者の生活の質を向上させ、介護サービス全体の質の向上に繋がっています。今後も、この法律の遵守が続くことで、さらに多くの高齢者が安心して生活できる環境が整備されることが期待されています。
※引用:「Microsoft Copilot」・太字は作成者加筆
5:身体拘束を無くすための介護者としてのコミュニケーションの基本技能
身体拘束廃止への取り組みは、高齢者の生活の質を向上させ、介護サービス全体の質の向上に繋がっています。ここでは介護者としてのコミュニケーションの基本技能を説明します
①「自己覚知」の重要性
・良好な人間関係をつくるためには、まず自分をしるという「自己覚知」と、利用者をよく知ることが重要であり、基本である
②「傾聴」の重要性
・利用者を知るためには、利用者の生きてきた歴史や生活習慣、教育や価値観、身体状況、心理状態などを理解することである。その為には、まず利用者の話や訴えを聴くという傾聴技能が必要になる
③「共感的態度」の重要性
・共感とは、利用者の示す感情表現ではなく、表出しない感情にも心を寄せ、その思いを共有することである
※医療法人おもと会 沖縄リハビリテーション福祉学院「身体拘束に関する基本の知識」より引用、一部加筆しました。
6:さいごに
身体拘束に関する研修に参加して、共感できた部分が「介護者としてのコミュニケーションの基本技能」でした。基本的に利用者のケアにあたる機会は少ないのですが、①「自己覚知」の重要性②「傾聴」の重要性③「共感的態度」の重要性は介護者だけではなくケアマネージャーとしても、利用者との対人援助技術でもっとも大切な技能であると思います。
利用者とのコミュニケーションを通じて「身体拘束をしない環境」をいかに作るべきか考えさせられた研修でした。
今回、「労務トラブル発生の対応について」と言うタイトルで研修に参加してきました。主にハラスメントへの対策ですが、その内容についてまとめました。
※弁護士への相談内容についてはどのような内容が多いか?
講師による、弁護士の先生によると、「労務トラブルの相談内容について、8割から9割の相談が、パワーハラスメント(以下、パワハラ)であること。その他の相談ではセクシャルハラスメント(以下、セクハラ)であること」と、話されていました。
※訴訟問題のほとんどは示談で解決されることが多い
裁判所に持ち込まれる訴訟の件数は何百とあるそうですが、「パワハラの訴訟の中で判決が出るのは、一年間で1件から2件程度」だと話されます。ほとんどが、示談で解決される事例が多いと話されていました。
大切なことは「お互いがお互いのことを考えることでハラスメントによるトラブルを防ぐことが出来るのではないか?」と問題提起されていました。
※ハラスメントの現状とは
ハラスメントの現状について調べてみました。
(以下、引用)
ハラスメントの現状について、日本では労働環境において様々なハラスメントのケースが報告されています。パワハラスメント(職場での力関係の不均衡を利用したいじめや嫌がらせ)やセクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)は広く知られていますが、近年では「カスタマーハラスメント」(顧客から従業員への迷惑行為)や「マタニティハラスメント」(妊娠や育児を理由とした嫌がらせ)も社会問題化しています。企業はこれらの問題に対する対策を強化し、ハラスメントの予防や解決に取り組んでいますが、依然として多くの事例が報告されています
※ハラスメント関連にたいする法整備の意味について
研修の中で、ハラスメンに対して法制化したことに対する効果を挙げていました。具体的に言うと、ハラスメントに対する基本的な罰則はないが、法制化したことで「パワハラの定義」ができたことが一番重要だと話します。
パワーハラスメント(パワハラ)の定義とは、
「職場において優位な立場にある者が、その権力や地位を利用して弱い立場の者に対して不当な扱いや嫌がらせを行う行為」 です。
※ハラスメントの具体的な例として
具体的な例としては、次のような行為が含まれます:
これらの行為は、労働環境を悪化させ、被害者の健康や生活に深刻な影響を与えることがあります。パワハラの被害を受けた場合は、速やかに信頼できる上司や人事部門に相談するなど、適切な対策を講じることが重要です。
※そのほかにもあるハラスメント
その他にも、最近では不機嫌ハラスメント略して「フキハラ」なども理解が広まっています。
「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」という用語は公式なものではありませんが、一般的に理解しやすい概念です。これは、職場や家庭、友人関係において特定の人が常に不機嫌な態度を示し、その結果として周囲の人々にストレスや不安を与える行為を指します。不機嫌さを長期間にわたって示し、その場の雰囲気や他人の気分を悪化させ、業務や人間関係に悪影響を与えることから、ハラスメントとして捉えられるケースもあります。
職場では、不機嫌な態度を頻繁に示す上司や同僚がいる場合、周囲の社員が働きづらくなることがあります。家庭内でも同様に、いつも不機嫌な家族がいると、家庭の雰囲気が悪化し、心理的な圧力を感じることがあります。このような状況が続くと、精神的な健康に悪影響を及ぼすことがありますので、早期に対策を講じることが重要です。
以下、セクハラなどの解説も研修で続きましたが、今日はここまで(汗)。私にとって耳が痛い話ですが「立ち居振る舞いを気を付けること」を常に意識づけることが大切と感じました。
イデアでは「ハラスメント」を許しません。一番の示しを自分に課しながら他の職員に周知することで働きやすい環境を整えます。
【関連記事:個人ブログ・パワハラ上司3つの対処法】
新年、明けましておめでとうございます。2025(令和7)年も宜しくお願い致します。今年は「乙巳(きのとみ)」と言われ、「努力を重ね物事を安定させていく」という意味合いを持っているそうです(Google先生参照)。又、元号で令和七年「7」の年は、「これまでの流れとこれからの流れが大きく変わる」と言われ、90年ぶりに大きな変化が起こるだろうと言われている年でもあります。
一方、福祉業界では「2025年問題」と言われ「段階の世代が後期高齢(国民の4人に1人が75歳以上)になる」と言われ、社会保障の増大からますます現役世代の負担が重くなる先行き不安を表すような年ともいわれています。
イデアでは、2024(令和6)年を「地固めの年」として頑張ってきました。上手くいったこともそうでないことも多々有りましたが、今年はより発展してく1年として邁進していきます。そんな、令和6(2024)年、年末の出来事ですが、事務所の本棚が湿気と本の重さから倒壊寸前であることが解り、大みそかから一人、事務所内で本棚を解体しては本を箱に詰める作業を延々と繰り返していました。相談室兼、休憩室にインテリア(学びの友)として役割を果たしていた本と本棚を痛めてしまい反省の大みそかでした(除湿器を購入しましたが後の祭り)。
今年も学びと共に成長を続けます。至らない私ですが、イデアを引き続きよろしくお願いいたします。
今年も早いもので、師走を走り抜けて無事に仕事納めが叶いそうです。一年を振り返ってみると、新たな出会いや別れ良いこともそうでは無い事も綾の様に色々あった2024年でした。
思えば、コロナ禍は治まったとは言い難く、様々な感染症は未だに猛威をふるい続けています。又、新年早々、地震から始まり台風や様々な災害も油断ならない状況も続いています。世界に目を向けると、国同士が銃を向けて争いあう悲しい現実に終わりは見えません。「戦争なんて、遠い世界で起こっている出来事であって、私たちの生活に関係ない」なんて言える訳もなく、燃料や物価等の高騰が私たちの生活を苦しめる形でかかわっています。それでも、利用者様やそのご家族を始め職員一同、怪我や病気で倒れることも無く元気な姿で一年を終えることが何よりも僥倖なことだと思います。
暗い話になってしまいましたが(汗)、今年もお世話になりました。
来年は大きな飛躍を願うよりも、地固めをしながら一歩一歩その歩みを進めていけるような事業運営を展開できればと思います。
来年もイデアを宜しくお願い致します。
合同会社 広至
指定居宅介護支援事業所イデア 代表 屋比久秀雄
イデアでは増員に伴う職員(介護支援専門員)を大募集です。詳しくは、ホームページ内の求人情報を参照されて下さい。又、過去のブログでも書きましたが、イデアでは在宅ワークや直行、直帰等の管理が職員の業務の裁量の範囲内で自由に決められます。入社後に支給されるノート型パソコンやアンドロイド携帯機器など、ICT機器を活用する事で事務所にいなくても、手元のパソコンでデータや書類(FAX)も含めて自由に確認ができるので、あえて事務所に出勤する手間もかかりません。それでも「事務所に来れば誰かの顔も見られるし、おしゃべりもできるから」と、賑やかな雰囲気で職員の皆さんが事務所で話している風景を見ると「二人で始めたイデアも大きくなったなぁ・・・」と感慨深いです。そんなイデアでは、今では5名の職員が働いています。令和7年4月には新たに事務員も配置予定です。
現在(R6.11月時点)では、ホームページ上のみで応募しています。応募際にはお電話もしくはお問い合わせフォームからお気軽にご応募ください。お問い合わせお待ちしております。担当:屋比久まで
このブログでは、指定居宅介護支援事業所イデアの紹介や、日々の業務を通して思う事を書させて貰っています。又、日ごろのお仕事の中で思う事を書いています。ただ、このブログを書いていて、常に思う事は、文章としてストレートに表現すると、書いている意図が正確に伝わらないのでは、読む人に不愉快にさせるのではないか?という不安が頭を過ぎります。仮に、このブログを読んでくださる人が「介護をされているご家族」や「介護や医療・福祉に携わる方」と仮定した場合、読んでくださる方に対しては特に読後の感想が気になります。私の立場として、利用者を始め介護者に対しては真摯に向き合うと同時に、介護事業者や医療・福祉の支援者に対しては尊敬を持って書かせてもらっています。
10年以上も前の話です。それまで、アナログな人間として生きてきましたが、ある日、iPhoneというおもちゃを手に入れた時、流行りの玩具を手に入れ子供の様にSNSを通して秘匿性が担保されたシステムを利用し、自分の思う事を述べたこともありました。個人情報に配慮した上での意見でしたが、日常で誰も言わない意見を素直に述べた事で多大な反響があった時にSNSの怖さを実感しました。同時に事情を知らない方からの批判や中傷を目にしてアカウントを閉鎖しました。
自分の意見を発信する怖さを知りながらも、あえて、ホームページを作成した時に、ブログで自分が思う事を素直に(個人情報に配慮しながら)書いてみようと思いました。ですが・・・途中で「この文章を読んでくれた人がどう思うか」を考えると、言い訳を考え文章をつけ足してみる等、個人に対しての批判や意見ではない事を文章で延々と連ねていくうちに「書きたい文章は、コレではない」と、思うことも増えてきました。先程、書いたブログ『利用者の「幸せ」とは何かをケアマネの視点から考える』というタイトルの長文を丸ごとボツにしました。書いた文章が、意見が正しく伝わる自信がないと思い破棄しました。今、長文を書いた時間を回収したくて余話としてこの文章を書いています。
事務所でよく職員に話します。人と人とのコミュニケーションに難しさについて。一方的なコミュニケーションである「ブログ」でさえも読んだ人の読後感で不愉快にさせてはいけないと思います。かと言って有益になる情報も書ける力も力量もない袋小路に迷いこむ今日この頃です。
おひとりさまの老後
「結婚していてもしていなくても、最後は必ずひとりになる。でも、知恵と工夫さえあれば、老後の一人暮らしは怖くない」と、謳ってベストセラーになった、上野千鶴子著「おひとりさまの老後」。上野千鶴子氏のファンで過去の著書は何冊も読んでいるのだが、高齢者を支援する立場から、この本だけは素直に読めなかった私に改めて考えさせられる本を先日読んだ。
タイトルがズバリ、沢村香苗著「老後ひとり難民」だ。「世はおひとりさまブームだが、『ひとり』のまま老後を迎えて本当に大丈夫だろうか?」と、警鐘をならす。配偶者や子供などの「身元保証人」がいない高齢者は、入院だけでなく、施設への入居を断れることも多い。認知機能や身体機能の低下が原因で起こる様々な老後の現実問題を提起した一冊になっている。
身寄りがいないと困難事例に…
実際に、新規相談で依頼があった際に、イデアでも事前に確認する基本情報として「キーパーソン(身元保証人)」の有無を確認する事になっている。キーパーソン不在「おひとりさま」だと、困難事例の扱いになってしまうケースもある。もちろん、そうならないように事前の確認や関係機関との連携を密に図り支援に臨むわけだが、「おひとりさま」に対応できる「ケアマネ」もベテランのケアマネに委ねるなど対応は限られている。
実際に著書「老後ひとり難民」を読んだときに考えさせられたのだが、「介護保険は面倒を看る事のできる家族が居る事を前提に制度設計されている」という、沢村氏の指摘が秀逸だった。戦後、同じように創設された年金制度も老後は子供たち、同居家族の世話(扶養)になることを前提に制度を設計されている。そうでないと、老齢基礎年金だけで老後の独り暮らしができるはずもないのは明らかだ。
厚生労働省の構想では、市町村や社会福祉協議会(社協)などの相談窓口に「コーディネーター」を配置し、法律相談や終活支援、財産管理、死後の残置物処分等を委託できる民間業者へ繋ぐとしているが、民間業者も少なく値段もピンキリで法的な制度もされていない。例え契約が出来たとしても、「支払った金額に対して対価を感じられない」と、トラブルになるケースも多い。「もし、認知症なって意思決定が難しくなったら、体が言う事が利かなくなったら・・・」と考える事を、そもそも想像したくも無いという高齢者も多いのが、現場で働いていると実感として感じる(あくまで、私個人の意見です)。
身寄りがいない「おひとりさま」利用者の身元保証人の代わりの役割を誰が対応するのか?が、疑問になる。「病院受診に自分で行けなくなったら誰が連れて行ってくれるの?」「銀行から金銭の引き出しをするの?コンビニで公共料金の支払いを誰がしてくれるの?」「入院になったら誰が連帯保証人になるの?入院中の必要な物品や差し入れは誰が持ってくるの?」「自分が亡くなったら誰が住まいを、葬儀をしてくれるの?」と、答えはもちろん教科書に書いてある(はずだ)。
家族(身元保証人)の役割は「ケアマネ」に丸投げすればよいという『無言の圧力』
問題なのは、実際に誰が「社会資源に繋げる為の手続きをするのか」である。社会資源に繋げる前に、利用者から制度の説明と承諾を得る必要がある。制度や民間事業者に繋ぐともちろん費用も発生する。費用の面ももちろん説明する。すると、「お前(私:ケアマネ)に頼めばタダでやってくれるのだろう?」と、過去に言われたことも実際にあることも記しておきたい。又、「おひとりさま」を支援していて感じるのは家族(身元保証人)の役割は「ケアマネ」に丸投げすればよいという『無言の圧力』だ。例の一つとして「ケアマネが病院受診の付き添いをしれくれる」と、医療機関からも実際に言われた事がある。現場では実際に対応しているケアマネも多く業務の圧迫になっている。
さいごに
国会では介護保険法の制度見直し時期になると「ケアマネも自己負担を導入するべき」という論調が挙がってくる。利用者から自己負担を頂くと、公正中立が保てなくなる云々の前に「ケアマネの業務の範囲内を明確にすべきだ」と、何年も前から思っていた。ようやく「ケアマネのシャドウワーク(業務範囲外の仕事)」を明確すべきだと論議が上がってきたのは喜ばしい事でもある一方で・・・「トイレットペーパーの芯を流したら便所が詰まったから直しに来い!」と、利用者に言われて仕事帰りに便所掃除に行ったことが昨日の事の様に思いかえされる私です。お後がよろしいようで・・・。
※参考文献:上野千鶴子著「おひとりさまの老後」、沢村香苗著「老後ひとり難民」、橘玲著、「D・D(どっちもどっち)論~解決できない問題~には理由がある
【関連記事:個人ブログ・「老後ひとり難民」を読んでわかる独居高齢者が直面する3つの課題】
先日、琉球大学医学部付属病院でお仕事をされる臨床心理士の金城隆展先生の研修に参加してきました。実は過去に先生の研修に参加した経験があり、講義を聞いた事をきっかけに社会福祉士を取得するきっかけを下さった先生でもあり、講義前から楽しみでした。
講義の議題として「難病患者の受容・意思決定について」という内容で、難病患者の疾病受容意思決定を再考するという題目を基に哲学的視点や倫理学と言う座学だけでの範囲では無く、あくまで現場から実際の患者さんの視点に立った内容から医療や福祉、介護における課題や問題を提起される内容でした。実際は、様々な動画(映画の一場面を引用した)や書籍からの引用等を中心とした内容で専門的な知識もなく、ただ物語として楽しめる事が出来て、それでいて腑に落ちる内容にまとめられるのも講師の力量だと思いました。
そこで、質問。「ある日、突然宣告された病名(難病)に対し、病状の進行で苦しむ患者さん。病名(難病)の宣告を受け入れられずとても混乱している。あなたは、その患者さんを助けたいと思いました。そこで、自分の出来る事や支援できる事を伝えているが、患者さんはその提案を、支援を拒否している。聞く耳を持たない。そんな状況であなたができる事は何かありますか?」という問題。あなたならどうしますか?という難問。そんな問題を解決できるマニュアルがあるなら、ぜひ教えて欲しい(他力本願な私)。
支援者(特に私)は「患者さんを社会資源(介護保険サービス)で困りごとを解決できるはずだ」と、無意識に思いがちで「困っている患者さんにサービスを提案する事がケアマネの仕事」だと思いがちです。患者さんの話を聴いている傍から「どんなサービスを提案してやろうか」そればかり考えている私です。
でも、実際はそうではないと先生は説きます。「病気で苦しむ、こんなはずではなかったという想い。病気を否定したい思い。家族や周りに対する迷惑や申し訳なさやみじめさ。そういった思いをひたすらに聴くこと。その想いに寄り添う覚悟が必要だ」と、話されます。間違っても、「この話をされたらリハビリを紹介してやろう」等とさかしらに語ってはいけないと、まさしく「傾聴」に徹すべきだと注意喚起されていました。
全身全霊で人の話を聴くってとてもしんどいのです。「話す相手の身になり、本人の置かれている状況や人間関係、病状や不自由な身体的精神的な環境を我が事の様に感じながら人の話を聴く。」毎日、それをできる人を心から尊敬する今日この頃です。と、修行が足りないわが身を嘆く日々です。
国は超高齢化社会に備え、ケアマネージャーがいない事で介護保険制度が利用できないという、いわゆる「ケアマネ難民」を作らない様に、介護支援専門員の人材確保を視野に令和6年度の制度改正・報酬改定において過去に類のない取り組みを行っている。ただ、国の意図とは反するかのように、厚生労働省が7月31日に公表した最新の統計では、今年4月の居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)数は3万6459件。前年同期から738件(約2%)少なくなった。減少は6年連続で毎年少しづつ居宅介護支援事業所(ケアマネージャー)が減っていく事象が起こっている。
ここからの引用は「一般財団法人 長寿社会開発センター ケアプラン作成業務に従事していない介護支援専門員に関する実態調査 調査結果サマリー」からのデータによるが、転職理由の上位に上がる理由として「給与が低い」が挙げられる。左の理由に関しては予想されるとしても「仕事に魅力を感じない」「将来性を見いだせない」など専門職として仕事への本質的な部分に直結する理由も大きな課題と言える。
事業所として大事な職員を辞めさせない事が一番のポイントだが、転職理由の上位に上がる理由「給与が低い」に関しては汗顔の至りで今後も改善していくとしか言えないわけで・・・(がんばります)。ケアマネージャーが業務の中で何を負担に感じていたのかをデータを基に検証したい。今回は「介護支援専門員として従事していた時に感じていた負担」として一番多かった意見で「ケアマネジメントの本来業務」を取り上げたい。
イデアでは新規相談の受け入れ状況に関しては、毎週初めにミーティングの中で各職員の新規相談対応の進捗状況と併せて担当できるか確認を行っている。事務所運営に関しては、各ケアマネが件数を持ってもらわないと経営が成り立たないので新規の依頼を受けて欲しい。一方で、既存の利用者様への対応や本来の業務をこなしていく中で新たに新規を受け入れる労力と負担はかなり重たい。「イデアでは新規の依頼があった時に断ったことは一度もないよ」なんて、職員に言おうものならモラハラ一直線である。もちろん職員とコミュニケーションを都度、取りながら対応の有無を確認して新規依頼をお受けしている。又、頑張りに併せて、インセンティブ(評価手当て)を職員に還元している。介護難民を作らない為に出来る事は、イデアで働く職員を守る事であり、職員(ケアマネージャー)を守る事が利用者やそのご家族の幸せを守ると思われる。
「福祉に携わる人間が幸せであるように、自身の頑張りや努力が自身の成果に反映されるような職場環境を整えます。職員の働き甲斐と幸せが、利用者の幸せに繋がるように努めます。」
わが社の企業理念の一つを添えて筆を置くとします。
指定居宅介護支援事業所イデアでは、毎週週初めに新規依頼の動向と受け入れについて検討しています。
7月第3週の新規依頼の動向について・・・
介護支援専門員6名対応にて、現在、要介護12件を対応させて頂いております。現在、受け入れは可能です。ぜひ、お問合せ下さい。
要支援の依頼についても問い合わせを頂きます。ご夫婦でお一人が「要介護」もう御一方が「要支援」等のご両親の支援など状況に応じてお受け入れも可能です。又、身寄りが居ない利用者に関しては、高齢者支援協会と契約している等であればご相談に応じられる場合もあります。
在宅で介護保険を利用してサービスを受けたい、有料老人ホームへ入居を予定してるが、ケアマネが居ない、区分変更申請をしたい等、状況に応じて対応させて頂きます。
ご要望が有りましたら「098-863-2700(担当:屋比久)」までお気軽にお問い合わせください。よろしくお願いします。