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目次
~KJ法で考える現場に役立つ実践アイデア~
新型コロナウイルス感染症をはじめ、私たちの暮らしや事業は突発的な感染症流行の影響を大きく受けます。特に介護や医療、福祉の現場では、**「感染症流行時にも事業を止めない仕組み=BCP(事業継続計画)」**が求められます。
先日、指定居宅介護支援事業所イデアでは、**「BCPにおける感染症対策」**をテーマに勉強会を開催しました。本記事では、その内容を整理し、実際の事業所や在宅ケア現場で役立つポイントを紹介します。
今回の勉強会で取り入れたのは、発想整理の手法である**「KJ法」**です。
断片的な意見や情報を付箋に書き出し、グルーピングや図解化を行うことで、問題の本質や新しい視点を発見できます。
KJ法のメリットは以下の通りです。
情報を体系的に整理できる
多様な視点を活かせる
アイデアの可視化・共有が容易
抽象化と具体化を行き来できる
テーマは「感染力の強い感染症が流行した時、イデアでできる対策とは?」。
参加者が出した具体的なアイデアには次のようなものがありました。
情報収集(行政や医療機関の発信確認)
在宅ワークの活用
手洗い・消毒・マスク着用
ソーシャルディスタンス
検温や体調チェック
利用者・職員の感染者数の確認
これらをグルーピングすると、**「人との接触を減らす」「清潔」「環境整備」「意識付け」「健康管理」「情報収集」「緊急時の対応」**という7つのカテゴリーに整理されました。
さらにグループ同士の関係性を整理する中で、
「健康管理」と「緊急時の対応」には因果関係がある
「情報収集」と「意識付け」は相互に関連している
といったつながりが浮かび上がりました。
特に「意識付け」は多くの要素と関連し、全体の中心的な役割を担うことが分かりました。
最終的には、複数の要素がまとめられ、**「感染症予防」**という上位概念に集約されました。
勉強会を通じて明らかになったのは、抽象化と具体化のバランスの重要性です。
抽象化(上位概念) → 感染症予防という全体像を理解する
具体化(行動) → 手洗いや換気など、すぐに実践できる行動につなげる
この往復を意識することで、対策が単なる「やり方」にとどまらず、「なぜ必要か」を共有でき、組織全体の行動につながります。
今後は、出されたアイデアを実際の行動計画に落とし込み、感染症流行時のBCP手順書として整備していくことが課題です。
BCPにおける感染症対策は、一人の工夫だけでは成り立ちません。組織全体が共通の視点を持ち、柔軟に対応できる仕組みづくりが不可欠です。
KJ法のような手法を用いて、多様な意見を整理し、合意形成を進めることは、介護や医療の現場だけでなく、あらゆる事業に応用できます。
「感染症流行時にも事業を止めない」
そのために、日頃から知恵を持ち寄り、行動に移せる体制を整えておきましょう。