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認知症は、高齢化が進む日本において誰にとっても身近なテーマになっています。
厚生労働省の推計では、高齢者の認知症や軽度認知障害(MCI)の人は今後さらに増加すると考えられており、家族や介護職だけでなく、地域全体で正しい理解を深めることが重要です。
本記事では、認知症研修で学んだ内容をもとに、
について、初心者にもわかりやすく解説します。
まず知っておきたいのは、
認知症は「年齢を重ねれば誰でもなる物忘れ」ではないということです。
認知症とは、
脳の病気や障害によって認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態を指します。
適切な診断・治療・環境調整によって、
ことが期待できます。
よく混同されますが、大きな違いがあります。
つまり、
「出来事の一部」を忘れる状態です。
一方で認知症では、
という特徴があります。
つまり、
「体験そのもの」を忘れてしまうことが大きな違いです。
認知症にはさまざまな種類がありますが、特に重要なのが以下の4つです。
最も多い認知症で、
全体の約6~7割を占めています。
介護現場でも最も多く出会うタイプです。
特徴的なのは
幻視です。
実際には存在しない人や動物が見えることがあります。
また、
などパーキンソン症状も見られます。
さらに、
一日の中で状態が大きく変動することも特徴です。
脳梗塞や脳出血などが原因になります。
高血圧や糖尿病など生活習慣病の管理が大切になります。
比較的若い世代にもみられる認知症です。
特徴は、
記憶よりも
性格や行動の変化
が目立つことです。
例えば、
などの症状が現れます。
認知症ケアでは、
この違いを理解することが非常に重要です。
脳の障害そのものによって起こる症状です。
代表例は、
本人の努力不足や性格ではありません。
介護現場で悩みやすい症状がこちらです。
例えば、
などがあります。
しかし重要なのは、
BPSDには必ず背景がある
という考え方です。
例えば、
こうした原因が重なって症状として表れていることがあります。
そのため、
「困った人」
ではなく
「何かに困っている人」
という視点で考えることが、認知症ケアの基本です。
研修で繰り返し伝えられた基本姿勢があります。
それは、
という4つです。
話しかける際は、
これだけでも安心感は大きく変わります。
このような訴えを否定すると、
本人はさらに不安になります。
おすすめの対応は、
「一緒に探しましょう。」
という寄り添う姿勢です。
無理に止めようとすると興奮することがあります。
まずは、
ことが大切です。
認知症ケアでは、
生活環境も重要です。
例えば、
羞恥心に配慮し、
本人の尊厳を守る支援が求められます。
などの環境整備も重要です。
認知症介護では、
家族の負担も非常に大きくなります。
そのため、
などを活用し、
介護者が孤立しない支援が必要です。
介護者が疲弊すると、本人の生活にも影響するため、本人だけでなく家族も支援の対象と考えることが大切です。
認知症ケアは一人で行うものではありません。
連携する職種には、
などがあります。
それぞれが専門性を活かしながら情報共有を行うことで、本人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる支援につながります。
認知症ケアの本質は、病気だけを見ることではありません。
一人ひとりが歩んできた人生や価値観、これまでの生活を尊重し、「その人らしさ」を大切にする姿勢が求められます。
そのためには、
という視点が欠かせません。
認知症の方を「認知症の人」としてではなく、**「一人の人生を歩んできた人」**として接することが、安心して暮らせる地域づくりの第一歩です。
認知症の種類によって異なります。多くの認知症は完治が難しい一方で、早期診断や適切な治療・生活環境の調整により、症状の進行を緩やかにし、生活の質(QOL)の維持を目指せる場合があります。
BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)は、認知症に伴う行動・心理症状のことです。徘徊、妄想、介護拒否、不安、興奮などが含まれ、背景には身体的不調や環境要因、心理的な不安などが関係していることがあります。
否定せず、急がせず、驚かせず、本人の思いに寄り添うことです。また、行動だけを見るのではなく、その背景にある理由を考える姿勢が、安心できる支援につながります。
介護現場では、どれだけ注意していても事故を100%防ぐことは困難です。
しかし、事故を未然に防ぐ仕組みづくりや、事故発生後の迅速で適切な対応、そして再発防止への取り組みは、居宅介護支援事業所として欠かせない重要な責務です。
令和8年7月2日、指定居宅介護支援事業所イデアでは、
全ケアマネジャーを対象に**「事故対応マニュアル勉強会」**を開催しました。
今回は研修内容の一部をご紹介します。
日時
令和8年7月2日(木)8:20~9:00
開催方法
Zoom
講師
管理者 屋比久
参加者
指定居宅介護支援事業所イデア
ケアマネジャー全員
今回の勉強会では、事故対応マニュアルの内容を再確認し、
について理解を深めることを目的として実施しました。
事故は「起こさないこと」が理想ですが、それ以上に重要なのは、事故から学び、次につなげる組織文化をつくることだと考えています。
高齢者は加齢や疾患の影響により、転倒や誤嚥などの事故リスクを完全になくすことは困難です。
そのため、
この4つを組織全体で継続的に取り組むことを改めて確認しました。
事故を「個人の責任」と捉えるのではなく、組織全体で改善していく視点が重要です。
ケアマネジャーは利用者の生活全体を把握する立場だからこそ、小さな変化を見逃さないことが求められます。
特に事故リスクが高まりやすいタイミングとして、
これらの時期には、通常以上にリスクアセスメントを実施する必要があることを共有しました。
介護保険サービスだけを見るのではなく、住環境や家族状況、服薬内容まで含めて総合的に評価することが事故予防につながります。
事故報告書やヒヤリハット報告書では、
5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)
を基本に、客観的な事実のみを記録することを再確認しました。
また、
これらを明確に区別して記録することが重要です。
主観や推測を書いてしまうと、後の検証や情報共有が難しくなるため、正確な記録を残す姿勢が求められます。
事故が起こると、
「誰が悪かったのか」
という議論になりがちです。
しかし、本来の事故分析の目的は責任追及ではありません。
大切なのは、
「なぜ事故が起きたのか」
を多角的に分析し、
など様々な視点から原因を整理し、再発防止へ結び付けることです。
事故対応は事故発生時だけでは終わりません。
ケアマネジャーには、
まで一連の支援を担う役割があります。
利用者や家族が安心して生活できるよう、医療・介護・福祉の関係機関と連携しながら支援を継続していくことが重要です。
近年の介護保険制度では、事故対応マニュアルの整備だけでなく、
など、実際に運用されているかどうかが重視されています。
マニュアルは作成することが目的ではなく、現場で活用されて初めて意味があります。
そのため、イデアでは定期的に勉強会を開催し、全職員が共通認識を持てるよう取り組んでいます。
事故は決して望ましいものではありません。
しかし、事故から学び、原因を分析し、再発防止へつなげることが、利用者の安心・安全な生活を支える第一歩になります。
私たち指定居宅介護支援事業所イデアでは、今後も定期的な研修や勉強会を継続し、ケアマネジャー一人ひとりの専門性を高めながら、より質の高い居宅介護支援の提供に努めてまいります。
こんにちは。
指定居宅介護支援事業所イデアの屋比久です。
令和8年6月18日、定期巡回ステーションいのりで開催された研修発表会に参加してきました。
今回の研修では、
という3つのテーマについて発表が行われました。
ケアマネジャーとして日々利用者やご家族と関わる中で、多くの学びと気づきを得ることができましたので、その内容をご紹介します。
最初の発表は、管理栄養士の山里様による「体重増加を目標とした支援」の事例報告でした。
対象は87歳の男性利用者です。
妻との死別後、喪失感から食事量が低下し、約10kgもの体重減少がみられていました。また、流涎(よだれ)が目立つようになり、口腔機能や嚥下機能の低下も課題となっていました。
そこで実施されたのが短期集中型訪問サービスです。
月2回程度の訪問を行い、
など、多角的な支援が実施されました。
特に印象的だったのは、「親子丼」のように食べやすく、かつエネルギーを確保しやすい食事を提案していた点です。
その結果、ミキサー食から固形食への移行が進み、摂取エネルギー量が増加。体重も約2kg増加するなど、大きな改善がみられました。
一方で、短期集中サービス終了後に再び低栄養状態へ戻るリスクも指摘されており、継続的なフォロー体制の重要性が共有されました。
ケアマネジャーとしても、栄養状態の変化を早期に把握し、必要な専門職へつなぐ役割の重要性を改めて感じました。
続いて、Aチームによる看取りケアに関する発表が行われました。
近年、住み慣れた自宅や施設で最期を迎えたいと希望される方が増えています。そのため、訪問看護やケアマネジャーには、本人だけでなく家族への支援も含めた看取りケアが求められています。
今回の発表では、スタッフへのアンケート結果をもとに作成した看取りケアマニュアルについて紹介がありました。
発表の中で特に印象に残ったのは、
「看取りは本人だけでなく、家族のケアでもある」
という考え方です。
初回介入時から利用者や家族の不安に寄り添い、信頼関係を築くこと。
そして臨死期には、
などを通して、安心して最期の時間を過ごせるよう支援しているとのことでした。
また、エンゼルケアを可能な限り家族と一緒に行い、後悔のないお別れにつなげる取り組みも紹介されました。
質疑応答では私から、
「看取り支援の際にケアマネジャーへ期待する役割は何か」
という質問をさせていただきました。
その中で、
などが重要であるとの意見交換が行われました。
看取り支援においては、多職種連携の質が利用者や家族の安心につながることを改めて実感しました。
最後はBチームによる接遇に関する発表でした。
訪問看護や訪問介護、ケアマネジャーなど在宅支援に携わる職種は、利用者の「自宅」というプライベートな空間へ訪問します。
そのため、医療や介護の専門知識だけでなく、接遇やコミュニケーション能力も非常に重要です。
発表では、
など、基本的な接遇の重要性が改めて確認されました。
また、
といったコミュニケーションの工夫も紹介されました。
特に印象的だったのは、
「利用者を好きになり、関心を持つことで自然とリスペクトやホスピタリティが生まれる」
という言葉です。
技術や知識だけではなく、利用者一人ひとりへの関心や敬意が支援の質を高めることを再認識しました。
今回の研修では、「栄養改善」「看取りケア」「接遇」という一見異なるテーマが取り上げられましたが、その根底には共通する考え方がありました。
それは、
「利用者本人だけでなく、家族も含めて支えること」
です。
介護保険サービスは単に制度を利用するだけではなく、人と人との関わりによって成り立っています。
ケアマネジャーとして、
を今後も意識しながら支援に取り組んでいきたいと思います。
定期巡回ステーションいのりの皆さま、貴重な学びの機会をありがとうございました。
当事業所では、介護に関するご相談やケアプラン作成、介護サービスの調整などを行っています。
「介護サービスを利用したい」
「家族の介護について相談したい」
「在宅での看取りについて相談したい」
など、お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。
地域の皆さまが安心して在宅生活を続けられるよう支援してまいります。
近年、日本各地で地震や台風、大雨などの自然災害が頻発しています。
介護の現場においても、「災害時にどのように利用者様の生活を守るか」が大きな課題となっています。
指定居宅介護支援事業所イデアでは、2024年度から義務化された「BCP(業務継続計画)」の策定に伴い、災害発生時を想定したBCP災害対策訓練を実施しました。
今回の訓練では、災害発生時の初動対応や連絡体制、利用者様の安否確認方法などについて、職員同士で具体的に検討を行いました。
BCP(Business Continuity Plan)とは、「業務継続計画」のことです。
地震や台風、感染症などの緊急事態が発生した場合でも、介護サービスを可能な限り継続し、利用者様の生活を守るための計画を指します。
特に居宅介護支援事業所では、
などが非常に重要になります。
今回の訓練では、
「午前11時、沖縄本島近海を震源とする大規模地震が発生し、那覇市・浦添市・豊見城市で震度6強を観測した」
という状況を想定しました。
さらに、
が発生している状況下で、
の2つのパターンについて、ワークショップ形式で検討を行いました。
災害時には、通常の電話が繋がらなくなる可能性があります。
そのため今回の訓練では、複数の代替手段を共有しました。
また、状況によっては、
など、「その場で工夫して連絡を取る」ことの重要性も確認しました。
災害時は、一つの連絡手段だけに依存しないことが大切です。
今回の訓練では、「誰を優先して確認するべきか」についても話し合いました。
特に優先度が高いと確認されたのは、
です。
災害時には、普段以上に支援の必要性が高まるため、状況を迅速に把握し、必要に応じて避難支援や関係機関との連携を行う必要があります。
実際に訪問した際には、以下の確認を優先することを共有しました。
まずは利用者様やご家族の怪我の状況を確認します。
必要に応じて、
などを判断します。
などを確認し、安全に行動できる状況かを判断します。
特に重要視されたのが、
の確認でした。
断水時には、無理にトイレを流すことで逆流する危険もあるため、
「ポータブルトイレを活用する」
などの具体的な声掛けの必要性も確認されました。
また、
が3日分程度確保できているかも重要な確認項目です。
訓練の最後には、代表から事業所としての方針が共有されました。
その中で最も強調されたのが、
「まずは自分自身と家族の安全確認を最優先にすること」
でした。
支援職である私たちは、「利用者様を助けなければ」という思いが強くなります。
しかし、自分自身や家族が危険な状況では、継続的な支援を行うことはできません。
だからこそ、
を行ったうえで、事業所へ連絡し、支援体制に入ることが大切であると再確認しました。
指定居宅介護支援事業所イデアでは、
などの場合にBCPを発令し、LINE等を通じて職員へ指示を行う体制となっています。
災害は、いつ起こるかわかりません。
だからこそ、普段から備え、訓練し、課題を確認しておくことが重要です。
今回の訓練を通して、
について、多くの学びと課題を共有することができました。
指定居宅介護支援事業所イデアでは、これからも地域の皆様が安心して在宅生活を続けられるよう、災害時の支援体制づくりに取り組んでまいります。
令和8年4月20日、指定居宅介護支援事業所イデアでは、「倫理及び法令遵守に関する研修」を実施しました。
介護支援専門員(ケアマネジャー)は、利用者様の生活を支える専門職として、高い倫理観と法令遵守意識が求められます。今回の研修では、介護現場における倫理の基本を改めて確認するとともに、利用者本位の支援を継続するために必要な姿勢について学びを深めました。
この記事では、研修内容の概要と、今後の取り組みについてご紹介します。
介護現場では、人手不足や業務負担、不規則な勤務などにより、職員が強いストレスを抱えることがあります。
そのような環境下では、知らず知らずのうちに言葉遣いが乱れたり、不適切な対応に繋がったりするリスクがあります。
例えば、
こうした小さな積み重ねが、サービスの質の低下や信頼喪失に繋がる可能性があります。
そのため、定期的に倫理について振り返り、職員全体で意識を共有することが重要です。
今回の研修では、介護職として求められる基本的な倫理観について再確認しました。
特に重要なポイントとして、以下の内容が挙げられました。
ケアマネジャーは、常に利用者様の意思や尊厳を尊重し、自立支援を基本とした支援を行う必要があります。
「支援する側の都合」ではなく、「利用者様にとって何が最善か」を考える姿勢が求められます。
介護現場では、多くの個人情報を取り扱います。
利用者様やご家族の情報を適切に管理し、守秘義務を徹底することは、専門職として当然の責任です。
質の高いケアを提供するためには、介護・医療・福祉など多職種との連携が欠かせません。
互いを尊重し、円滑なコミュニケーションを図ることも重要な倫理観の一つです。
研修では、介護保険法をはじめとする各種法令についても確認を行いました。
これらの法令を遵守することは、利用者様を守るだけでなく、事業所の健全な運営にも直結します。
法令違反は、単なるミスでは済まされません。
場合によっては、
といった重大な問題に発展する可能性があります。
介護事業所は「信頼」で成り立つ仕事です。
だからこそ、日頃から法令遵守への意識を高く持つ必要があります。
今回の研修では、ハラスメント防止についても改めて確認しました。
こうした行為は、働きやすい職場環境を壊し、離職の原因にもなります。
安心して働ける環境づくりは、結果として利用者様への良質な支援にも繋がります。
指定居宅介護支援事業所イデアでは、今後も以下の取り組みを継続していきます。
また、次回の事業所内研修として「BCP(事業継続計画)研修」も予定しています。
介護の仕事は、単に制度を運用するだけではありません。
利用者様の人生に深く関わる専門職だからこそ、高い倫理観と責任感が求められます。
指定居宅介護支援事業所イデアでは、今後も職員一人ひとりが学びを深め、安心して利用していただける事業所づくりを継続してまいります。
令和8年度に向けて、介護分野では臨時の介護報酬改定が実施される予定です。
今回の改定では、これまで処遇改善の対象外であった**ケアマネジャー(居宅介護支援)**も対象に含まれるなど、大きな見直しが行われます。
本記事では、今回の改定の背景と主なポイントを整理します。
近年、日本では物価上昇や人材不足が深刻化しており、他産業では賃上げが進んでいます。
しかし、介護業界は介護報酬という公的価格によって収入が決まる仕組みであるため、企業の判断だけで価格を引き上げることができません。
そのため、
介護人材の確保
他産業との賃金格差の是正
物価高騰への対応
を目的として、国による臨時の介護報酬改定が実施されることとなりました。
今回の改定で最も大きなポイントは、ケアマネジャーが処遇改善の対象に含まれたことです。
これまで処遇改善加算は主に「介護職員」を対象としていましたが、制度が見直され、対象が次のように拡大されました。
居宅介護支援(ケアマネジャー)
訪問看護
訪問リハビリテーション
介護予防支援(地域包括支援センター)
対象者の定義も
「介護職員」 → 「幅広い介護従事者」
へ変更されています。
今回の処遇改善による賃上げは、
月額 約1万円相当
とされています。
また、居宅介護支援事業所における加算率は
2.1%
となります。
処遇改善を受けるためには、いくつかの要件があります。
今回の制度では、
ケアプランデータ連携システムの導入が重要な要件となっています。
ただし、
すぐに導入が難しい場合
年度内導入予定である場合
は、
誓約書の提出で対応可能
とされています。
従来の処遇改善加算と同様に
キャリアパス制度
職場環境改善
などの要件も求められます。
今回の制度は、補助金 → 加算という形で段階的に移行します。
令和7年12月 ~ 令和8年5月
都道府県ごとに申請が必要で、
すでに申請が終了している自治体もあります。
令和8年6月~
この時点から、介護報酬上の
処遇改善加算として算定されます。
居宅介護支援事業所など新たに対象となる事業所は
令和8年6月15日まで
に届出が必要となります。
今回の改定では、ケアマネジャー制度にもいくつかの見直しがあります。
これまで
主任ケアマネジャー必須
でしたが、
主任ケアマネでなくても管理者になれる制度が検討されています。
ただし、
実務経験(3~5年程度)
研修受講
などの条件が設けられる予定です。
これまであった
有効期間制度(更新制)
は廃止されます。
ただし、
研修制度自体は継続される予定です。
住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などでは、
ケアマネジメントに利用者自己負担(1割等)を導入
する方針が決まっています。
ただし、施行時期は
令和10年4月以降
にずれ込む可能性があります。
今回の臨時改定の主なポイントは次のとおりです。
ケアマネジャーが処遇改善の対象に追加
月額約1万円相当の賃上げ
居宅介護支援の加算率は 2.1%
ケアプランデータ連携システムの導入が重要要件
令和8年6月から加算制度開始
届出期限:令和8年6月15日
今後、詳細な運用や自治体ごとの手続きについても情報が更新される可能性があります。
最新の通知を確認しながら、事業所としての対応を進めていきましょう。
高齢化の進行とともに、私たちケアマネジャーの現場では
への対応が増えています。
こうした状況の中で重要になるのが
成年後見制度と身元保証サービスです。
2026年3月、成年後見制度の改正に関するセミナーに参加する機会がありました。
今回はその内容をもとに、ケアマネジャーとして押さえておきたい
について整理します。
成年後見制度の現状と課題
成年後見制度は2000年にスタートしました。
しかし現在、大きな課題が指摘されています。
認知症高齢者は年々増えていますが、
制度の利用率は
約3.8%
にとどまっています。
つまり、
必要な人に制度が届いていない
という現状があります。
その原因として指摘されているのが
制度の「硬直性」です。
成年後見制度の「3つの硬直性」
制度が使いづらい理由として、次の3つがよく挙げられます。
① 一度始めると終わらない
成年後見制度は、原則として
本人が亡くなるまで終了できません。
例えば
という場合でも、
制度はその後も継続します。
この点が利用のハードルになっています。
② 後見人を交代しにくい
後見人の変更には
家庭裁判所の判断が必要です。
そのため
といった場合でも
簡単には変更できません。
③ 後見人の権限が強い
成年後見人には
が認められています。
これは本人を守るための制度ですが、
一方で
本人の自己決定を制限する可能性
もあります。
成年後見制度改正の方向性
今回の制度改正では、
「本人の自己決定の尊重」
「柔軟な制度運用」
を重視した見直しが検討されています。
主なポイントを見ていきます。
制度は「スポット利用型」に変わる可能性
改正の大きなポイントは
必要な時に必要な範囲だけ利用する制度
への転換です。
これまでの制度は
「一度始めたら死亡まで」
でしたが、
改正後は
など
特定の目的が終われば制度を終了できる
可能性があります。
これは利用者にとって
非常に大きな変化です。
制度類型は一本化される予定
現在の成年後見制度には
の3つの類型があります。
しかし実際には
「どれを選べばよいのか分かりにくい」
という声も多くあります。
そのため改正では
補助型に一本化
する方向が示されています。
制度をシンプルにすることで
利用しやすくする狙いがあります。
後見人の権限も個別設定へ
これまでの制度では
後見人に包括的な権限が与えられることが多くありました。
しかし改正後は
という形になる予定です。
例えば
といった
限定的な支援が可能になります。
後見人の交代も柔軟に
改正では
とする方向です。
また、
後見人選任時に本人の意見を考慮する
ことも明文化される予定です。
成年後見制度と身元保証サービスの違い
高齢者支援の現場では、
成年後見制度と身元保証サービスの違い
を理解することがとても重要です。
両者は目的が大きく異なります。
成年後見制度
対象
→ 判断能力が低下した後
主な役割は
つまり
法律的な代理制度
です。
身元保証サービス
対象
→ 元気なうちから利用可能
主な支援内容
これは
生活支援サービス
と言えます。
現場での使い分け
ケアマネとして重要なのは
この2つの制度の使い分けです。
身元保証サービスが適するケース
次のようなケースでは
身元保証サービスが有効です。
成年後見制度が必要なケース
次のような状況では
成年後見制度の利用が必要になります。
実は「併用」が多い
現場では
成年後見制度+身元保証サービス
の併用も多くあります。
例えば
というケースです。
ここで重要なポイントがあります。
成年後見人は施設の連帯保証人になれません。
そのため
財産管理
→ 成年後見人
施設保証
→ 民間保証サービス
という形で
役割分担が行われます。
費用面の注意点
制度利用では費用も重要です。
成年後見制度
身元保証サービス
民間契約のため
が必要です。
事業者例では
約150万円程度のケースもあります。
また民間サービスのため
事業者選びが非常に重要
になります。
ケアマネジャーとして大切な視点
今後、日本では
おひとりさま高齢者
がさらに増えていきます。
そのため支援では
を
組み合わせて考える視点
が重要になります。
特に大切なのは
判断能力が低下する前に
について
本人と話し合っておくこと
です。
ケアマネジャーは
制度の利用を決める立場ではありませんが、
制度につなぐ役割
を担っています。
これからの高齢社会では、
こうした制度理解がますます重要になっていくと感じました。
令和8年3月2日、指定居宅介護支援事業所イデア事務所内にて、
**「個人情報保護に関する勉強会(生成AI活用に伴う情報漏洩リスクと対策)」**
を開催しました。
近年、ケアマネジャー業務においてもAIの活用が広がりつつあります。
業務効率化という大きな可能性がある一方で、私たちが扱うのは極めて重要な個人情報です。
今回の勉強会では、
「便利さ」と「責任」の両立をテーマに、全職員で改めて確認を行いました。
居宅介護支援業務では、
アセスメント
支援経過記録
担当者会議録
ケアプラン作成
など、多くの文章作成業務があります。
AIを活用すれば、これらの作業時間を短縮し、
その分を利用者様との対面支援に充てることができる可能性があります。
しかし同時に、
氏名
住所
病名
連絡先
といった機密性の高い情報を扱う私たちにとって、
情報管理の甘さは絶対に許されません。
だからこそ今回、改めて「安全な活用方法」を学びました。
勉強会では、以下のリスクを共有しました。
利用者様の実名や詳細住所をそのまま入力してしまうこと。
過去には他者の履歴が表示された事例も報告されています。
ID・パスワード流出による不正利用。
法人の管理外で個人的に使用してしまうこと。
AIが事実と異なる内容をもっともらしく生成してしまう現象。
特に制度や報酬算定に関する誤情報は重大な問題につながるため、
慎重な確認が必要です。
私たちは次の3原則を徹底することを確認しました。
氏名 → 「A様」
住所 → 「県内在住」
病名 → 「慢性疾患」
電話番号 → 削除
最終判断は必ずケアマネジャーが行います。
AIの文章をそのまま提出しない。
必ず人の目で確認する。
「モデル改善のためのデータ利用」をオフにする設定手順を全員で確認しました。
(設定 → Data controls → Improve the model for everyone をオフ)
小さな設定変更ですが、
リスク管理の第一歩です。
NotebookLMで情報整理
人間が匿名化(ぼかし処理)
ChatGPTで文章整形
この流れを標準化することで、
安全性と効率性の両立を図ります。
「AI活用は今後必須になる」
「匿名化の重要性を改めて実感した」
「ハルシネーションが一番怖い」
「まだ使っていないが、今後学んでいきたい」
習熟度には差がありますが、
全員が前向きに取り組む姿勢を共有できました。
現在、法人プラン(有料版)への移行を行っています。
定期的な勉強会の継続
個人情報保護の徹底
そして何より、
AIの最終責任は、常にケアマネジャーにある。
この原則を忘れません。
AIは、私たちの仕事を奪うものではなく、
支援の質を高めるための道具です。
業務を効率化し、
利用者様と向き合う時間を増やす。
そのためにも、
個人情報保護を最優先に、安全な活用を続けてまいります。
今後も指定居宅介護支援事業所イデアでは、
安心・安全な事業運営に努めてまいります。
開催日:令和7年11月21日(金)
開催形式:Zoomオンライン
参加事業所数:138〜139事業所
主催:沖縄県保健医療介護部・沖縄県介護支援専門員協会
実習受け入れ事業所が混乱しやすい点をあらかじめ整理し、
今年度の実習を円滑に進めるために必要な情報が一通り共有されました。
令和8年1月23日(金)〜令和8年2月18日(水)
約1ヶ月の期間内で、**18時間以上(概ね3日分)**の実習を実施します。
ポイントは以下の通り:
3日間は 連続でなくてもOK
スケジュールは指導者・受講者・協力者と調整して設定
土曜日の実習も可能
| 課題 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 課題1 | アセスメント・模擬ケアプラン作成 | 作成時間は「18時間」に含まない |
| 課題2 | ケアマネジメントプロセスの同行・見学 | 主にこの時間が18時間必要 |
「模擬ケアプラン(課題1)」は個人ワークで、
「同行見学(課題2)」が実習のメインになります。
原則:主任介護支援専門員
実習指導は、主任更新研修の受講要件としてカウントされる
代理担当も可能ですが、記録コメントや申告書の変更が必要です。
実習は“指導者ひとりの仕事”ではなく、
事業所全体の取り組みとして実施することが重要と強調されました。
多様な生活状況を経験できる事例が望ましい:
一人暮らし
認知症
入退院・入退所ケース
インフォーマル活用事例
ターミナルケア など
実習協力者(利用者)から 書面による同意 を取得
同意前に個人情報を受講者へ渡すのはNG
サービス担当者会議に受講者が出席する場合
→ 関係機関からの同意(口頭可)が必要
「模擬ケアプラン記録用紙」
「見学・観察記録用紙」
見学記録は“場面ごと1枚”で作成
令和8年2月18日(水)必着
数日前に実習が終わるよう計画を組む必要あり
説明会では、昨年度の混乱点を踏まえて
特に以下の点が明確化されました。
平日が難しい事業所でも調整できる。
有料老人ホーム入居者 → 対象OK
特定施設・認知症グループホーム → 原則対象外
ただし、模擬ケアプラン(課題1)は要介護1〜5の方のみ。
複数ケースの説明(卓上ケース)は同意不要。
今回の説明会で強く感じたのは、
ということ。
単に“同行してもらう”だけの実習ではない
次世代のケアマネが成長するための、私たちの“責任ある関わり”
事業所全体の協力体制が求められる
情報提供・同意取得など、倫理性が重要
特に、同意取得の徹底や、場面ごと記録の扱いなど
実働部分の細かなルールが昨年より明確になっており、
実習の質がさらに上がることが期待されます。
所内で「実習受け入れフロー」を再整備
同意取得や説明の手順を標準化
多様な事例を提示できるよう準備
受講者の学びを最大化する“振り返りの時間”を確保
受講者が安心して現場経験を積めるよう、
そして未来のケアマネが地域で活躍できるよう、
責任を持って実習指導に取り組んでいきたいと思います。
令和7年度の実務研修は、
実習運営ルールがさらに整理され、事業所側の負担や不安が軽減されています。
実習指導は、受講者にとって
“現場に根を張るための最初のステップ”。
事業所という「土壌」が整っていれば、
受講者(苗木)はしっかり育つ——。
そんなことを実感した説明会でした。
~KJ法で考える現場に役立つ実践アイデア~
新型コロナウイルス感染症をはじめ、私たちの暮らしや事業は突発的な感染症流行の影響を大きく受けます。特に介護や医療、福祉の現場では、**「感染症流行時にも事業を止めない仕組み=BCP(事業継続計画)」**が求められます。
先日、指定居宅介護支援事業所イデアでは、**「BCPにおける感染症対策」**をテーマに勉強会を開催しました。本記事では、その内容を整理し、実際の事業所や在宅ケア現場で役立つポイントを紹介します。
今回の勉強会で取り入れたのは、発想整理の手法である**「KJ法」**です。
断片的な意見や情報を付箋に書き出し、グルーピングや図解化を行うことで、問題の本質や新しい視点を発見できます。
KJ法のメリットは以下の通りです。
情報を体系的に整理できる
多様な視点を活かせる
アイデアの可視化・共有が容易
抽象化と具体化を行き来できる
テーマは「感染力の強い感染症が流行した時、イデアでできる対策とは?」。
参加者が出した具体的なアイデアには次のようなものがありました。
情報収集(行政や医療機関の発信確認)
在宅ワークの活用
手洗い・消毒・マスク着用
ソーシャルディスタンス
検温や体調チェック
利用者・職員の感染者数の確認
これらをグルーピングすると、**「人との接触を減らす」「清潔」「環境整備」「意識付け」「健康管理」「情報収集」「緊急時の対応」**という7つのカテゴリーに整理されました。
さらにグループ同士の関係性を整理する中で、
「健康管理」と「緊急時の対応」には因果関係がある
「情報収集」と「意識付け」は相互に関連している
といったつながりが浮かび上がりました。
特に「意識付け」は多くの要素と関連し、全体の中心的な役割を担うことが分かりました。
最終的には、複数の要素がまとめられ、**「感染症予防」**という上位概念に集約されました。
勉強会を通じて明らかになったのは、抽象化と具体化のバランスの重要性です。
抽象化(上位概念) → 感染症予防という全体像を理解する
具体化(行動) → 手洗いや換気など、すぐに実践できる行動につなげる
この往復を意識することで、対策が単なる「やり方」にとどまらず、「なぜ必要か」を共有でき、組織全体の行動につながります。
今後は、出されたアイデアを実際の行動計画に落とし込み、感染症流行時のBCP手順書として整備していくことが課題です。
BCPにおける感染症対策は、一人の工夫だけでは成り立ちません。組織全体が共通の視点を持ち、柔軟に対応できる仕組みづくりが不可欠です。
KJ法のような手法を用いて、多様な意見を整理し、合意形成を進めることは、介護や医療の現場だけでなく、あらゆる事業に応用できます。
「感染症流行時にも事業を止めない」
そのために、日頃から知恵を持ち寄り、行動に移せる体制を整えておきましょう。