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【介護事業所向け】食中毒対策とBCPを学ぶ|指定居宅介護支援事業所イデア勉強会レポート

【介護事業所向け】食中毒対策とBCPを学ぶ|指定居宅介護支援事業所イデア勉強会レポート

夏場になるとニュースでも取り上げられることが増える食中毒

介護現場では、利用者の多くが高齢者であり、免疫力や体力が低下していることから、一般家庭以上に食中毒対策が重要になります。

2026年7月21日、指定居宅介護支援事業所イデアでは、「食中毒の予防と発生時の対応」をテーマに職員勉強会を開催しました。

今回は、新たに整備した食中毒対応マニュアルを読み合わせながら、**感染症BCP(業務継続計画)**との関連も含めて確認しました。

本記事では、その内容をご紹介します。


なぜ食中毒の研修が必要なのか?

介護事業所では、利用者宅への訪問や多職種との連携など、日々さまざまな場面で感染症リスクと向き合っています。

今回の勉強会は、

  • 運営指導で研修実績が求められていること
  • NPO法人の介護リサーチャー・前田氏からの助言
  • 新しく作成した食中毒マニュアルの運用開始

をきっかけに開催されました。

目的は単なる知識習得ではありません。

食中毒を予防し、万が一発生した場合でも感染拡大を防ぎながら業務を継続できる体制を整えることです。


平常時から始まる食中毒予防

食中毒対策は、症状が出てからでは遅い場合があります。

そのため、毎日の体調確認が重要になります。

職員は勤務前に、

  • 発熱
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 倦怠感

などの症状がないか確認します。

もし症状がある場合には、自己判断で出勤せず、管理者へ速やかに報告することを確認しました。

また、

感染性胃腸炎や食中毒が疑われる場合は出勤を控え、医師の指示と症状の改善を確認したうえで復帰を判断します。

介護の仕事は「責任感が強いからこそ無理をしてしまう」職種でもあります。

しかし、自分一人の無理が利用者や職員全体へ感染を広げる可能性があります。

**「休むことも大切な仕事」**であることを改めて共有しました。


手洗いは最大の感染予防

勉強会で最も基本として確認したのが手洗いです。

アルコール消毒だけでは十分ではありません。

基本となるのは、

石けんと流水による手洗いです。

特に、

  • 出勤時
  • 外出後
  • トイレ後
  • 食事前
  • 利用者宅訪問前後
  • 嘔吐物などに触れた後

には確実に実施することを確認しました。

アルコール消毒はあくまで補助であり、

状況に応じて適切に使い分けることが重要です。


ケアマネジャーが利用者宅で嘔吐に遭遇したら?

今回、多くの職員が関心を持ったテーマがこちらでした。

結論から言えば、

ケアマネジャーは介護職ではないため、嘔吐物や排泄物の直接処理は原則として行いません。

もちろん、

利用者の命に関わる緊急時には最小限の対応が必要な場合もあります。

しかし優先すべきことは、

  • 意識状態の確認
  • 呼吸状態の確認
  • 室内換気
  • 家族への連絡
  • 訪問看護への依頼
  • 主治医への相談
  • 必要時の救急搬送・入院調整

などのサービス調整です。

ケアマネジャーは「処置をする人」ではなく、

適切な支援につなぐコーディネーターであることを再確認しました。


食中毒発生時の情報共有が命を守る

食中毒が疑われる場合には、

迅速な情報共有が欠かせません。

勉強会では、

  • 管理者
  • 家族
  • 医療機関
  • サービス事業所
  • 必要時には保健所

へ速やかに報告する流れを確認しました。

さらに、

利用者が入院した場合や、

ADLが著しく低下した場合などは、

自己報告書や感染症報告書を作成し、

組織として再発防止につなげることも重要になります。


BCP(業務継続計画)の視点も忘れない

近年、介護事業所ではBCP策定が義務化され、

感染症への対応も重要な柱となっています。

今回の勉強会では、

LINE WORKSやZoomを活用した情報共有、

必要に応じた在宅勤務、

担当ケアマネジャーの代行体制など、

感染症BCPを具体的に確認しました。

「感染を防ぐ」だけではなく、

感染が起きても事業を止めない仕組みづくり

がこれからの介護事業所には求められています。


身近な食中毒体験から学ぶ

座学だけではなく、

参加者から実体験も共有されました。

常温保存したサーターアンダギー

正月に購入したサーターアンダギーを約1週間常温保存し、

温め直して家族で食べたところ、

全員が激しい吐き気に見舞われたという体験です。

当時は病院受診や保健所への相談はしなかったそうですが、

「原因を明らかにするためにも相談するという選択肢があった」

という振り返りがありました。


加熱不足の鶏肉

キャンプで焼き鳥を食べた際、

外側は焼けていても中が生焼けだったため、

食後すぐに下痢や嘔吐、微熱が出たという体験も紹介されました。

見た目だけでは判断せず、

中心部まで十分加熱することの重要性を改めて学びました。

実際の経験談は、マニュアルだけでは伝わりにくい危機意識を共有する機会にもなりました。


今後はシミュレーション訓練も実施予定

今回の勉強会は、

マニュアルの読み合わせが中心でした。

今後は、

  • PPE(個人防護具)の着脱訓練
  • 嘔吐物発見時の初動対応
  • 職員が発症した場合のBCP訓練
  • 食中毒発生を想定したシミュレーション

など、

実践的な研修も予定しています。

また、

マニュアルについても年1回以上見直しを行い、

PDCAサイクルを回しながら継続的な改善につなげていきます。


まとめ|食中毒対策は「知識」と「備え」が重要

食中毒は、いつ・どこで発生してもおかしくありません。

特に介護現場では、高齢者の命に直結するリスクとなるため、日頃からの備えが欠かせません。

今回の勉強会を通じて改めて感じたのは、マニュアルは「作ること」が目的ではなく、「理解し、実践できること」が重要だということです。

そのためには、職員一人ひとりが正しい知識を身につけ、平常時から体調管理や手洗いを徹底し、発生時には慌てず連携できる体制を整えておく必要があります。

利用者の安心・安全を守るためにも、これからも研修や訓練を継続し、「感染を防ぐ」「感染が起きても事業を止めない」という視点で、より実践的な取り組みを進めていきたいと考えています。


よくある質問(FAQ)

Q1. ケアマネジャーは利用者宅で嘔吐物を処理する必要がありますか?

原則として処理は行いません。ケアマネジャーの役割は利用者の安全確認と関係機関との連絡・サービス調整です。緊急避難的に対応する場合でも、マスクや手袋を着用し、最小限の対応にとどめます。

Q2. 食中毒が疑われる職員は出勤できますか?

発熱や下痢、嘔吐などの症状がある場合は出勤を控え、管理者へ報告します。復帰は症状の改善と医師の指示を踏まえて判断することが望まれます。

Q3. なぜBCP(業務継続計画)が食中毒対策に必要なのですか?

感染症が発生しても介護サービスを継続するためです。情報共有や担当者の代行、在宅勤務などをあらかじめ定めておくことで、利用者への支援を途切れさせない体制を整えることができます。