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理想のケアマネージャーを選ぶ3つのポイント

介護サービスを利用するうえで欠かせない存在――それがケアマネージャー(介護支援専門員)です。
「良いケアマネージャーに出会えたら、介護生活がグッと楽になる」
そう感じているご家族は多いのではないでしょうか。逆に、なかなか相性の合うケアマネージャーに巡り会えず、ストレスを抱えてしまうケースも少なくありません。

この記事では、ケアマネージャー歴10年以上の経験から、「理想のケアマネージャーを選ぶ3つのポイント」をお伝えします。これから介護サービスを使う方、今の担当に不安を感じている方、ぜひ参考にしてください。


そもそもケアマネージャーの役割とは?

ケアマネージャーは、利用者が自立した日常生活を送れるよう、公正中立な立場で支援を行います。
具体的には次のような業務を担っています。

  • 介護保険の申請代行や各種手続き

  • 介護サービスの提案とケアプランの作成

  • 利用者・家族・介護サービス事業者との連絡調整

  • 医療・福祉サービスを総合的に判断しマネジメント

つまり、「介護の司令塔」とも言える役割です。ここで信頼できる人に出会えるかどうかが、その後の介護生活の質を大きく左右します。


ケアマネージャーを探す方法

方法はいくつかあります。

  1. 市区町村役所の事業所一覧表から探す
    自宅近くの居宅介護支援事業所をリストアップできますが、出会いは運次第。

  2. 地域包括支援センターから紹介
    要支援認定時はセンターがケアプランを作成します。区分変更後も担当できる事業所を紹介してくれる場合も。

  3. ネット検索(ワムネットなど)
    厚生労働省の公式サイトで事業所の概要やスタッフ数を調べられます。

  4. 医療機関からの紹介
    かかりつけ医や大病院の地域医療連携室の相談員は地域の情報に詳しいです。

  5. 友人・知人の紹介
    実際に介護経験のある人のおすすめは信頼度が高く、人気ケアマネは口コミで広まることが多いです。

  6. 利用したい介護サービス事業所から紹介
    デイサービスなどを先に決め、その運営法人のケアマネを紹介してもらうパターンです。連携のしやすさが魅力。

探す方法は色々ありますが、ここからが本題。では、どうやって「理想のケアマネージャー」を見極めるのか?


理想のケアマネージャーを選ぶ3つのポイント

1. 利用者や家族の話をきちんと聴く

これが最重要条件です。
介護の現場では、利用者や家族が抱える悩みや不安は一人ひとり異なります。話を最後まで聴かずにサービス提案をするのではなく、想いに耳を傾け、必要に応じて質問し、気持ちを受け止めながら一緒に考えてくれる
そんな姿勢があるかどうかが、信頼関係を築く第一歩です。
話を「聴く力」と「引き出す力」、この2つを兼ね備えたケアマネージャーは本当に貴重です。


2. 経歴や資格を知る

ケアマネージャーになるには、医療・介護・福祉分野の資格(看護師、介護福祉士、社会福祉士など)が必要です。
この基礎資格や経歴を知ることで、その人の得意分野や強みが見えてきます。

  • 看護師資格 → 健康管理や医療との連携に強い

  • 介護福祉士資格 → 介護全般の相談に幅広く対応

  • 社会福祉士資格 → 制度横断的な支援に詳しい

  • 主任ケアマネ → 豊富な知識と経験を証明

  • 福祉住環境コーディネーター → 住環境や福祉用具に強い

事前にプロフィールをチェックできる場合は必ず確認しましょう。


3. フットワークの軽さ

最後に大切なのが行動力とスピード感です。
「頼んだのに動いてくれない」という不満は、利用者や家族からの苦情で最も多いものです。
特に、デイサービス併設の事業所で「変更を嫌がるあまり対応が遅い」ケースもありますが、ケアマネージャーはあくまで公正中立であるべきです。
依頼への反応が早く、柔軟に動いてくれる人こそ、信頼できるパートナーになれます。


まとめ:長い目で付き合える関係を

ケアマネージャーも人間ですから、性格や相性の合う・合わないはあります。
初回面談だけで全てが分かるわけではありませんし、最初は手探りでも、徐々に信頼関係が深まることも多いです。

私自身、「頼まれごとは試されごと」という気持ちで、どんな依頼にも全力で対応してきました。介護は短距離走ではなくマラソンです。
だからこそ、焦らず、長い目で、そして少し優しい目でケアマネージャーと関係を築いていくことをおすすめします。


介護生活は、良いケアマネージャーとの出会いで大きく変わります。
もし今の担当が合わないと感じたら、遠慮せず変更も視野に入れてみてください。
そして、自分や家族にとって「話を聴いてくれる」「得意分野が合っている」「動きが早い」――この3つを満たすケアマネージャーに巡り会えるよう、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。

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